ピジョンブラッドがルビーの中でも最高級である理由

ルビーは、その色の深みと美しさ、そして希少性から、古くから世界中で愛されてきた宝石です。ルビーの中でも、特に「ピジョンブラッド」と呼ばれる、鳩の血のような鮮やかな赤色のルビーは、最高峰の価値を持つものとして知られています。

これらの要素がすべて揃ったルビーは、まさに「奇跡の宝石」と呼ぶにふさわしく、その価値は年々高まり続けています。

「ピジョンブラッド」と呼ばれる鮮烈な赤色の魅力

最高級のルビーだけが持つ「ピジョンブラッド」と呼ばれる鮮烈な赤色は、他の宝石では決して味わえない魅力です。ピジョンブラッドは、赤色の色相を持ちながら彩度が高く、明度が中程度であるという特徴があります。この絶妙なバランスが、深みのある上品な赤色を作り出し、見る人を魅了するのです。

ミャンマー産ルビーの希少性と歴史

ミャンマーは、古くからルビーの産地として世界的に有名です。特に、同国北部にあるモゴク渓谷は、最高品質のルビーを産出することで知られてきました。何世紀にもわたり、この地で採掘されたルビーは、その美しさで世界中の人々を魅了してきました。しかし、長年の採掘によりミャンマー産のルビーの産出量は年々減少しており、その希少性からミャンマー産ルビーはますます価値を高めています。

クリスティーズの最近のオークションで、ミャンマー産で8カラットの「ピジョンブラッド」ルビーが、なんと80億円近くで落札されました！これはルビー史上最高値です。

ルビーの価値基準：色

ルビーの価値において最も重要な要素は色です。最高品質のルビーは鮮やかな赤色を呈し、特に「ピジョンブラッド」と呼ばれる純粋で深みのある赤が最高評価とされます。色の均一性も重要で、不均一な色分布や色ムラは価値を下げます。ルビーの赤色はクロム含有量によるもので、鮮やかで濃い色ほど価値が高まります。色相、彩度、明度のバランスが絶妙なルビーは市場にて高値で取引されます。

ルビーの価値基準：透明度

ルビーの透明度も価値を決定する重要な要素です。天然ルビーにはしばしば内包物（インクルージョン）が見られますが、これが少なく、目視で確認しづらいものほど高価です。内包物はルビーの形成過程で自然に生じるもので、全くの無欠点は稀です。しかし、内包物がルビーの輝きを損なう場合、価値が下がります。最も価値のあるルビーは、透明度が高く、内包物が少ないものです。

ルビーの価値基準：重さ

ルビーの重さ、すなわちカラットも価値に大きく影響します。重いルビーほど希少性が高く、同じ品質であればカラット数が大きいほど価格が跳ね上がります。特に2カラット以上のルビーは非常に希少で、オークションなどで高額で取引されることが多いです。ただし、重さだけでなく、カットの仕方や全体的なバランスも価格に影響を与えるため、全体のプロポーションも重要です。

ルビーの価値基準：産地

ルビーの産地も価値を左右する重要な要素です。特にミャンマー（旧ビルマ）のモゴック産ルビーは最高品質とされ、市場で非常に高く評価されます。これらは「ピジョンブラッド」と呼ばれる深紅色のルビーを産出することで有名です。その他、タイ、スリランカ、マダガスカルなどの産地も知られていますが、それぞれの産地特有の特徴や品質により評価が異なります。産地証明があると、そのルビーの信頼性と価値がさらに高まります。

ルビーの価値基準：加工処理の有無

ルビーは、しばしば色や透明度を向上させるために加工処理が施されます。一般的な処理には加熱処理やフラクチャー・フィリングがあり、これらはルビーの美しさを増すものの、未処理の天然ルビーに比べて価値は低くなります。特に未処理で高品質のルビーは非常に希少で、コレクターや投資家にとって高い価値を持ちます。宝石証明書に加工処理の有無が記載されていることが多く、これが価格に大きく影響します。

ルビーの価値基準：非加熱＝高品質ではない

傷や内包物が多く品質が低いルビーは、加熱すると割れる可能性があるため非加熱のまま売られることがあります。また透明度が低い粗悪なルビーも同様です。大きくても品質が悪いルビーが、本当は数万円程度でも「非加熱」というだけで数百万円や数千万円で販売されているケースは少なくありません。非加熱ルビーがすべて高品質なわけではないため、本来の価値を有する非加熱ルビーを適正価格で販売するプロの業者から購入することが重要です。

長期的な資産価値の上昇に期待

ミャンマー産の最高級非加熱ピジョンブラッドルビーは、その希少性と美しさから、長期的な資産価値の上昇が期待できます。

世界的な需要増加

経済成長が著しいアジア圏を中心に、富裕層の間で高品質なルビーへの需要が高まっています。

供給量の減少

ミャンマーでは、ルビーの鉱山資源の枯渇が進んでおり、産出量は年々減少しています。

非加熱処理

加熱処理を施していない天然のルビーは、その希少性からさらに高い価値を持つとされています。

これらの要因により、ミャンマー産の非加熱ピジョンブラッドルビーは今後も価格上昇が見込まれることから、長期的な投資対象として魅力的です。

インフレ対策や資産分散としての有効性

近年、世界的なインフレ傾向が続いています。現金や預貯金の価値が目減りする中、ミャンマー産非加熱ピジョンブラッドルビーのような現物資産は、インフレに対する有効なリスクヘッジ手段となりえます。また、株式や債券といった伝統的な金融商品とは異なる値動きをする傾向があるため、投資のポートフォリオに組み入れることで、リスク分散の効果も期待できます。

相続資産としてのルビー

ルビーは希少性と耐久性により、長期間にわたって価値を保持する資産です。特に最高級のルビーは市場で安定した高値で取引されるため、世代を超えて価値を保存しやすいです。コレクターや投資家も多く、希少性が高い宝石は、時間とともにその価値が上昇する可能性があります。また、ルビーをはじめとした宝石は小さいサイズでありながら高価値なため、物理的に持ち運びやすい資産です。不動産や重さのある金などの資産と異なり、簡単に移動できます。ルビーはその美しさからジュエリーとしての価値も高く、代々伝わる宝石として歴史的な意味や家族の絆を象徴する存在にもなるでしょう。