芸術的に発達したカット技術は、魔法と区別がつかない
魔法のカット:10日で24ct D FL 3EX TYPE2Aを創造する
世界的な超一流宝石ブランドBから、あるオーダーが入りました。
それは、24ct D FL 3EX TYPE2Aのダイヤモンド。
世界のトップレベルの会社であるBは、世界中のダイヤモンドのリストを保有しています。
そのため、すぐに、現在そのようなダイヤモンドは存在しないことを理解しました。
「どこにもないから、あなたのところに頼んでいるのです」
Bの担当者はそう言いました。
そして、この話が難しいのは、後10日以内に用意して欲しいということでした。
実は、Bの超VIPのお客様の奥様が、3月24日が誕生日で、サプライズプレゼントに、24ctのパーフェクトダイヤモンドである24ct D FL 3EX TYPE2Aを希望していたのです。
20ctなら、30ctならD FL 3EX TYPE2Aなら、私達が持っていますが、欲しいのは、24ct台なのです。
私達は、24ctをラフダイヤモンドからカットして作る原石を持っていますが、1から作るには、時間が足りません。
10日以内に作る必要があったのです。
そこで、私達は徹底的に、25ctから28ctで、リカットして、24ctのD FL 3EX TYPE2Aにできるダイヤモンドを探しました。
25~28ctのGIAの鑑定書に記載されているダイヤモンドのプロポーションのデータを特別なパソコンにかけて、リカットの可能性を探りました。
そしてついに、見つかりました。
それは、なんと、ラウンドではなく、ペアシェイプの27ct D FL EX EXだったのです。
これをリカットして、24.35ct D FL 3EX TYPE2Aにできることがわかりました。
私達は、世界に数台しかない特別なマシンを使って、3日でリカットしました。
そして、特急鑑定を依頼し、GIAで、24.35ct D FL 3EX TYPE2Aとして鑑定を受け、期日ギリギリに納品することができました。
この出来事には、私達を信じて依頼してくれたBにも感謝し、カット研磨の最高峰の魔法のような技術を持つ技工士に、深く感謝しました。
芸術的に発達したカット技術は、まさに魔法と区別がつきません。この経験は、私達に、ダイヤモンドの可能性と、人間の技術の驚異を改めて認識させてくれました。